皆さまこんにちは。
山形市の嶋にあるティーズデンタルクリニック院長の佐々木琢也です。
今回はインプラントの歴史について解説していきたいと思います。
歯を失った際の治療法の1つとして、インプラントが適応されてから50年以上が経ちますが、その歴史は意外に知られていません。そこで今回は、インプラントの歴史について、詳しくご紹介したいと思います。
▼革命的な発見
1952年にスウェーデンのブローネマルク博士によって、偶然発見されたオッセオインテグレーションによりインプラント治療は、めざましい発展を遂げました。ブローネマルク博士は、大学の研究所で骨や骨髄の研究をしている過程で、金属であるチタンとウサギの骨が結合することを偶然発見し以降、様々な実験を経てインプラントへの応用が検討され、人間の身体に影響がないことが立証され、遂に1965年に人間へと臨床が始まりました。
▼ブローネマルク・インプラント治療第1号者
ヨスタ・ラーソンはブローネマルクシステムであるチタン製のインプラント体を使用したインプラント治療第1号者として広くしられている人物です。産まれつき顎の骨が弱いため、歯を支えることが難しく、残り数本をなんとか維持している状態でありました。そんな状態でインプラント治療を受けたヨスタ・ラーソンではありますが、彼がその人生を全うするまでの約40年もの間、インプラントは問題なく維持されました。
▼オッセオインテグレーション
オッセオインテグレーションが発見される以前のインプラントは、他の金属で作成され、そのどれもが歯槽骨と結合することはなく、インプラント体を固定するために既存する歯などにインプラントを固定することでしか、インプラントを維持することはできませんでした。
1952年に発見された、チタンと骨が結合する現象であるオッセオインテグレーションは革命的な発見であり、それ以降もこれを超える革命的な発見はなく、今現在も多くのインプラントメーカーが採用しています。
▼インプラントの歴史は紀元前
インプラントの歴史は意外と長く、紀元前のミイラからも現在のインプラントの前身となる治療が施されていたと思われる痕跡が発見されています。亡骸にあの世でも不自由なく食べ物を食べられるように祈りを込め、歯を失ったスペースに貝殻や宝石を埋め込んだと推測されるミイラや、生前から貝殻を歯槽骨に埋め込んで、歯の役割を補っていたと推測されるミイラが発見されています。このことからも、人間は遥か昔から、歯は生きるための大切な臓器として認識し、私たち人間の生活を支えている欠かせないものとして扱っていました。