「歯槽膿漏」という言葉をごぞんじでしょうか。近年ではCMや雑誌、インターネットなどでも取りざたされているため、目にしたり耳にしたりしたことがある人も多いのではないでしょうか。「最近、口臭が強い気がする」「歯が伸びた気がする」と、気になるお口の中の変化の原因は、もしかすると歯槽膿漏が原因かもしれません。そこで今回は、歯槽膿漏が及ぼす影響について、詳しくご紹介して参りたいと思います。
歯槽膿漏は歯周病なの?
良く耳にしたり、目にしたりする「歯槽膿漏」という言葉でありますが、実際はどのような状況を歯槽膿漏と呼ぶのか、歯周炎や歯肉炎といった疾患と、どのような違いがあるのか、把握している人は多くはないのではないでしょうか。
CMや雑誌、インターネットでは、歯肉が腫れあがりブヨブヨしていて、血や膿がでている状態を「歯槽膿漏」と呼ぶことも多く、歯周病や歯肉炎との違いはどこなのか、困惑しがちではあります。
歯肉の炎症の総称を歯周病と呼び、以前は「歯槽膿漏」と呼ばれていたことから、現在でもそのなごりから、その言葉が使われていることが多くあります。
歯槽膿漏が及ぼす影響
歯槽膿漏と呼ばれる状態である歯周病は、歯肉などの歯周組織をむしばむだけではなく、全身にまで影響を及ぼす可能性があることが報告されています。
特に糖尿病と歯槽膿漏には深い関係があることが近年の研究で明らかになっており、歯槽膿漏の状態で生み出されるサイトカインが血糖値を下げる作用のあるインスリンの働きを抑制すると言われています。歯槽膿漏の状態が改善すると、糖尿病にも改善の兆候がみられるため、お口の健康と全身の健康を保つことが重要です。
また、糖尿病の他にも心疾患、脳血管疾患、誤嚥性肺炎、低体重児出産・早産などとも歯槽膿漏と関係があると言われています。
生活習慣の見直しをしよう
歯槽膿漏は生活習慣病であると考えられ、毎日の歯磨きや口腔ケアを怠らずにおこなうか、おこなわないかによって、お口の中の健康は左右します。
毎日の歯磨きや口腔ケアの他にも、バランスのとれた食事や、十分な睡眠、ストレスフリーな生活、禁煙を心がけるようにしましょう。
定期的な検診を
歯槽膿漏の状態になるまでには、段階を踏んで病状が進行していきます。しかし、初期の段階では自覚症状がないため、気が付かないうちに症状が進んでいることも多くあり、歯を失いかねません。3ヶ月から6ヶ月に1度、歯科医院で検診を受けることが大切です。