『アバットメント』をご存知でしょうか。インプラント治療を受けた経験のある人であれば、聞き覚えがあるかもしれませんが、アバットメントはインプラントの部品の一部であり、なくてはならないものであります。しかし、その役割や特性を把握している人は多くはありません。そこで今回は、インプラント治療で欠かすことのできない、アバットメントについて、詳しくご紹介して参りましょう。
インプラントの基本知識
インプラントは、人工歯根にあたるインプラント体と、上部構造となる人工歯(補綴物)、両者を連結させるためのアバットメントで構成されています。
アバットメントの役割
アバットメントはインプラント体と上部構造となる人工歯を繋げるためだけであると認識されがちではありますが、その他にもアバットメントには役割があります。以下が、アバットメントの主な役割となります。
▼人工歯の土台となりインプラントの強度を助ける
▼噛む力を調整できる
▼噛むことで受ける衝撃から、インプラント体を守る役割がある
▼歯槽骨に埋まっている角度や噛む方向を調整できる
▼上部構造とインプラントを連結させる
いつアバットメントを装着するの?(2回法の場合)
人工歯根となるインプラント体を埋め込むための第一手術をおこない、インプラント体と顎の骨である歯槽骨が強固に結合するまでの治癒期間を設けます。個人差がありますが3~6ヶ月ほど時間をおいた上で、第二手術をおこない、アバットメントをインプラント体に装着します。
アバットメントをインプラント体に装着した後は、さらに周辺歯肉の治癒を数週間待って、人工歯となる補綴物を作製するための型取りをおこない、出来上がった補綴物をアバットメントの上から装着してインプラント治療は完了します。
アバットメントに採用される金属
インプラントに採用される金属は、人骨と結合する唯一の金属であるチタンが多く見受けられますがチタンの他にも、金属合金、ジルコニアなどのアバットメントが存在します。アバットメントに採用される金属は、歯科医院が取り扱うインプラントの種類によってもことなります。
以上、今回はインプラント治療には欠かすことのできない、アバットメントについて詳しくご紹介して参りました。アバットメントはインプラント体と人工歯を繋ぐ役割だけではなく、さまざまな役割を果たすため、インプラント治療をお考えの際には、アバットメントにも注目しましょう。