インプラントに寿命があることをご存知でしょうか。インプラントを顎の骨に埋め込むだけで、生涯に渡り利用できると誤解されている人も少なくありませんが、天然歯とは異なりインプラントには寿命があります。そこで今回は、インプラントはどのぐらいの期間の間、口の中で維持できるのか、詳しくご紹介して参りましょう。
インプラントの仕組み
まずは、インプラントの仕組みについて、おさらいしましょう。
インプラントは、インプラント体、上層構造部(人工歯)、それらを連結させるアバットメントの3つの構造で形成されています。
インプラントは人骨と唯一結合する特性をもつ金属であるチタン製であり、歯を支える骨である歯槽骨に埋め込みお口の中で維持します。
入れ歯と異なり着脱式ではないため、外れる心配はありません。
インプラントの寿命は平均10年
インプラントの寿命は約10年と言われています。この数字は他の補綴物よりも長く、入れ歯の寿命は平均5年、ブリッジの寿命は平均8年と言われています。しかしこの数字はあくまでも歯科医院で適切なメインテナンスを受けていたケースの話であり、誰しもがインプラントを10年以上維持できるわけではありません。
インプラントの寿命を左右するのは歯周炎
インプラントの寿命を延ばすには、定期的に適切なメインテナンスを受けることが大切です。インプラントは天然歯と異なり歯根膜が存在しないため歯周炎に弱く、インプラント周囲の歯肉や組織が炎症してしまうと炎症が一気に広がり、インプラントを維持できなくなります。
また、これらの炎症は『インプラント周囲炎』呼ばれ、適切なセルフケアができていなかったり、ケアをおこたってしまったり、喫煙や糖尿病が原因でインプラント周囲の歯肉や組織に炎症が広がってしまうため、注意が必要です。
定期的なメインテナンスのすすめ
インプラント治療を受けた場合には、メインテナンスを定期的に受けることが重要であり、一般的なメインテナンスの内容は以下の通りです。
▼インプラントの点検
インプラント自体に不備がないか、確認します。
▼口腔内チェック
虫歯や粘膜、歯肉の状態を確認します。
▼レントゲン検査
レントゲン撮影をし、インプラントを支える歯槽骨の状態を確認します。
▼咬み合わせチェック
咬み合わせは日々変化します。インプラントや他の歯に負担がかかっていないか確認します。
▼ブラッシング指導
歯周炎を防ぐためには、日々の正しいセルフケアが重要です。
▼クリーニング
普段の歯磨きでは落としきれない汚れを落とし、お口の健康を維持します。
以上、今回はインプラントの寿命について詳しくご紹介して参りました。インプラントは歯肉の炎症に弱く、炎症を避けるために定期的なメインテナンスを受けましょう。