インプラント治療は、顎の骨である歯槽骨に直接インプラントを埋め込む必要がありますが、目視して確認することができない歯槽骨や血管、神経の状況を把握するためには、CT撮影をする必要があります。一般的な歯科治療においてはレントゲン撮影が主流でありますが、インプラント治療ではレントゲン撮影とあわせて、なぜCT撮影が必要なのか、CT撮影ではどのようなことがわかるのか、詳しくご紹介して参りましょう。
レントゲン撮影だけでは情報は不十分?
一般的な歯科治療をおこなう場合、基本的にはレントゲン撮影をおこないます。レントゲン撮影では、歯面だけではなく、普段は目視することができない歯槽骨などの状態や、歯の根っこ部分の状態、お口の中の状態などを確認することができます。
しかし、レントゲンは2次元の平面であるため、インプラント治療をおこなう場合に必要となる情報を十分に得ることができず、CT撮影が必要となります。
【レントゲン撮影でわかること】
・歯の状態
・お口全体の状態
・歯槽骨の状態や高さ
インプラント治療で必要な情報は?
インプラント治療は、歯肉を切開し歯槽骨に穴を開けた上で、インプラントを埋め込み、両者を強固に結合させることによって、失った歯の機能を補います。
インプラント治療では、お口全体の状態はもちろんのこと、インプラントを埋め込むための歯槽骨の厚さや高さ、密度が十分にあるのか、神経や血管を傷つけることなくインプラントを埋入できるのかなど、インプラント治療を安全におこなうための情報が必要となります。
歯科用CTとは?
病院で身体の状態を確認するためにおこなう一般的なCT撮影では、検査着に着替え横たわりCT撮影をおこないますが、歯科で使用するCTでは、歯科専用のCTで撮影をおこないます。
歯科用CTは、頭部や口周りを撮影することに特化しているため精度も高く、検査着に着替える必要もなく、座ったまま数十秒で撮影するため、負担なく撮影することができます。
また、レントゲンと異なり歯科用CTでは、立体的(3D)な情報を得ることができ、以下がCT撮影でわかる情報です。
【CT撮影でわかること】
・歯の細部
・歯槽骨の厚さ、密度
・お口全体の状態
・神経の位置
・血管の位置
CTの被ばく量は?
歯科用CTで撮影する1回当たりの被ばく量は0.1mSvほどであり、病院で撮影するCTの被ばく量6.9mSvに比べると、各段に被ばく量は低いものとなります。
以上、今回は歯科用CT撮影でわかることなどについて、詳しくご紹介して参りました。インプラント治療を安全におこなうためには欠かせない歯科用CT撮影に不安がある人は、歯科医師に相談しましょう。